モノクロ出力の妙 三人展「トリクローム」開催

posted on 2013.12.27 / text by Riken KOMATSU


 

上遠野真人、鈴木穣蔵、白圡亮次という、いわき市を拠点に活動する3人の写真家による写真展「トリクローム」が、来月12日からいわき市平のギャラリーコールピットで開催される。「モノクロ」縛りの三人展。白黒の濃淡が織りなす世界観や「出力の妙」に注目して欲しい。

 

参加する写真家は、上遠野真人、鈴木穣蔵、白圡亮次の3人。いずれもいわき市でフォトグラファーとして活動している若手作家だ。写真愛好家の多いいわきの写真クラスタの中でも、出色のクリエイティビティを発揮している3人の展示とあり、開催前から大きな注目が寄せられている。

 

展示は、モノクロ写真が主体となる。白黒の濃淡が織りなす世界観や、それぞれに切り取る構図にも注目したいが、展示の見所のひとつは「出力」だと鈴木穣蔵は語る。「写真の出力方法は、従来のものからデジタルまで組み合わせるととても多様です。技術的に異なる、その出力方法に、作家の世界観が表れると思います」(鈴木)。

 

今回の作品は、上遠野はデジタルカメラで撮影した写真を印画紙に印刷、白圡はデジタルカメラで撮影した写真をインクジェット紙に印刷、そして鈴木は、フィルムカメラで撮影した写真を印画紙に印刷しているという。表現技法の奥深さにも、ぜひ注目してもらいたい。

 

また、今回の三人展は、いわき市のクリエイティブシーンに活気を与えるという意味でも注目のイベントになるのではないだろうか。カメラマン人口も多く、写真の盛んないわき市だが、若手の作家がギャラリーで作品展を開く機会は多くはなかった。今回の展示は、そこに風穴を開けると共に、写真を生業とする3人と直に触れ合い、さまざまな話を聞ける貴重なチャンスになりそうだ。

 

作品や空間、観覧者が多様に混じり合い、ひとつの「場」となって、さまざまな熱が生まれそうな予感。この展覧会をきっかけに、2014年のクリエイティブをスタートさせてみてはいかがだろうか。1月12日には、別会場にてオープニングパーティも開催予定とのこと。ぜひ参加してみて頂きたい。

 

 

information

Trichrome -トリクローム- 三人展

会期:2014年1月12日(日)〜2月2日(日)

開館時間:9:30〜18:00

会場:ギャラリー コールピット いわき市平字紺屋町45紺屋町ビル3階

電話:0246-38-3152

URL : http://www.coal-pit.or.jp

 

 

◀◀ PREVIOUS / NEXT ▶▶

 

FOLLOW ME

EDITOR's TWEET