建物の解体で空き地の目立ついわき市小名浜の本町通りに、「仮設美術館」をつくろうというワークショップが今月末に開かれる。テーマは「地引き網と浮き球」。小名浜の歴史と地続きの2つの道具を使って海との関係性を再構築する、建築のワークショップだ。主催は、福島県で様々なアートプロジェクトを開催する「福島藝術計画×Art Support Tohoku-Tokyo」。
設計と当日の講師を担当するのは、プロジェクトFUKUSHIMA! などで活躍する福島市の建築家、アサノコウタ。「建築以下の設計」をテーマに、これまでに様々な作品、プロジェクトを完成させてきた注目の建築家だ。市民とのワークショップにも定評があるだけに、楽しく建築の醍醐味を感じられるイベントとなるだろう。
原案は小名浜在住のドローイング作家untangle.。また、浮き球を作るための風船を作るのは、いわきを拠点に活動するバルーンアーティストの長岡静香が担当する。3人のアーティストが参加者の創造性を引き出し、どのような「仮設美術館」ができあがるのか。建物の解体によって空き地の目立つ本町通りだけに、完成がとても楽しみだ。
仮設美術館は、風船、針金、ストローなどを用いて建てられる。針金とストローで作られるワイヤーが風船を覆うように張り巡らされ、その風船によって空間が作られるという。最終的に風船は割られるが、後に残ったワイヤーが構造体となり、その構造体に作品が飾られることで「美術館」となるという。
いわき市平の「いわき回廊美術館」が注目されているように、仮設的・即興的なものがその土地と接続され、さらに市民の手が加わることで場をつくる動きが活発になっている。今回の「仮設美術館」も、その系譜に連なるものといえよう。小名浜ならではの美しい美術館が建てられるに違いない。
なお、このワークショップは、対象年齢も広く設定されており、子どもから大人まで気軽に参加できる内容となっている。携わった人たちみんなが「建築家」。ぜひ、ご家族で参加頂き、クリエイティブな感性を磨きながら、建築の面白さを感じてもらいたい。
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まるたま (木曜日, 26 9月 2013 12:31)
ブログの方でも紹介させていただきますね。