untangle.による個展「DURING DRAWING」

posted on 2013.2.15 / text & photo by Riken KOMATSU


 

「線を描き続けることが日常であり、生き続けること」。自らの創作についてそう語る小名浜在住のドローイング作家untnagle.による個展「DUARING DRAWING」が3月1日よりいわきアリオスのアリオスカフェで開催されることが決まった。震災後からuntangle.が問い続けてきた「線」による表現。いったい私たちにどんな景色を見せてくれるのだろう。

 

untangle.は「からみほぐし造形論」という独自の理論に基づき、あらゆるものを「線」によって表現していくドローイング作家。2009年に地元いわき市小名浜にUターンし、現在はオルタナティブスペースUDOK.を拠点に活動中。市内外の音楽イベントなどでライブドローイングを手がけているほか、2012年にはフランス・パリのギャラリーにも作品が展示されるなど作家としての活動の幅を広げている。

 

untangle.の線を形作る「からみほぐし造形論」は、長岡造形大学大学院時代に形作られた彼の思想と呼ぶべきもの。その概念は、大雑把に言えば、様々なものごとのあり方や関係性を線によってとらえようというものだ。untangle.の見てきたもの、感じてきたことが、そのまま線として表出していると言ってもいいだろう。最近では、その作品や理論について語ったインタビューが「tumblr japan」において特集されるなど新たな広がりも生んでいる。

 

描かれる線は、海の波や山の稜線といった大自然を描いているようにも見え、また、小さな水泡や花の雌蕊や雄蕊、生き物の細胞のように見えることもある。枠の外にも視野を広げてみれば、展示している場やその町や土地にも接続され、フラクタルのような構造を作り上げていることが感じられる。この独特のスケール感はuntangle.作品のひとつの醍醐味ではないだろうか。

 

今回の展示では、震災以後、およそ2年にわたってuntangle.が問い続けた「線」による表現が展示されることになる。線の揺らぎ、太さ、余白。そんなところにも、untangle.が感じてきたものが投影されていることだろう。作品に近づいたり離れたりしながら、その世界をじっくりと味わってみてはいかがだろうか。

 

 

information

untangle. Exhibition『DURING  DRAWING』

会期:2013年3月1日〜3月31日 10:00~18:00 (第2火曜定休)

会場 : いわき芸術文化交流館Alios  2F  アリオスカフェ

〒970-8026 福島県いわき市平字三崎1-6

http://iwaki-alios.jp/institution/shops/index05.html


 

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