小名浜にはかつて、「小名浜ショッピングセンター」と「小名浜名店街」という2つのショッピングセンターがあった。現在は「タウンモールリスポ」がある場所。そこには、私たちの幼少時代の数々の思い出が残されている。その思い出や写真などを持ち寄り、皆で語ることで、これからのまちづくりに活かすことはできないか。OAM(小名浜アート盛りつける)が主催する次回のイベントは、地元の商店街を語り尽くす会。イベント名そのまんまのイベントである。
text by Riken KOMATSU
OAM代表の高木市之助は、今回のイベントについてこう語る。「震災後、同世代の方々と話す機会が増えたのですが、ショッピングセンタ—や名店街の話題がよく出てくるんです。でも、みんな思っていた以上にディテールを忘れていたりする。そうした記憶のかけらを持ち寄り、ぼんやりとしたショッピングセンターの姿をよりはっきりとさせることで、小名浜の未来を考えるヒントになると考えています」。
いわき市の復興計画が徐々に明らかになるなか、小名浜港背後地に進出が計画されているイオンモールの話題は、目下小名浜の最大の関心事となりつつある。高木は、「モールの進出で、さまざまな意見が寄せられていますが、小名浜のまちづくりの歴史を知らないまま、表面的な言葉が先走ってしまっているようにも感じます」と語る。議論の足がかりとして、まずは小名浜のまちづくりの歴史を共有する。そのうえでモール問題が語られれば、より深い議論も進むことになるだろう。
2つのショッピングセンターは、地元で商店を構える当時の小名浜の若者たちが自主的に集まり建設されたという。当時、こうしたスタイルのショッピングセンターは全国でも珍しく、各地から視察団が集まるほど画期的なものだと評価されていた。地元の人で連日賑わい、小名浜のシンボルとして長年市民に愛されてきた2つのショッピングセンターには、単なる「古き良き小名浜のノスタルジイ」ではない、未来のビジョンのヒントが隠されていそうだ。
今回のイベントは「試験的な位置づけ」とのことで、お酒を飲みながら思い出を語ろうというゆるいコンセプトとなっているが、今後は、さまざまなゲストを招いたトークセッションや、既存のOAMのイベントなども絡め、硬柔織り交ぜた「まちづくりイベント」として展開していくことも考えているという。まずは、自分のアルバムを引っ張り出して、ショッピングセンターの思い出を語ってみてはいかがだろうか。
小名浜ショッピングセンターと小名浜名店街を語ろう会
日時:2012年1月21日(土) 18:00〜
会場:UDOK. いわき市小名浜本町29-2
参加費:無料
問い合わせ:OAM onahama.art.moritsukeru@gmail.com
コメントをお書きください
いいね (水曜日, 03 4月 2013 18:55)
懐かしい写真だなあw
屋上の飛行機とか良い思い出だ。小さいプレハブも建っていて、中にはジュークボックスが置いてあったんだよね。古い話だ。
近くのアーケードにはジャズ(?)喫茶もありと…。
ところでUDOKの面々は元気かい?
あんたらがこれからの小名浜の風景を造っていくわけだ。泣いても笑ってもたかが数十年の人生、いつか皆が、最高のかたちで交わることができたらいいね。