いわき市小名浜の商店街の一角に、これまでにはなかったオルタナティブなスペース「UDOK」が完成した。幣誌編集長の小松理虔と、ドローイングアーティストの丹 洋祐が共同で代表を務める。広さ20坪のテナントを利用し、アトリエ、ギャラリー、書庫、菜園などの機能を持たせることになっている。
UDOKは、文字通り「晴耕雨読」という熟語から着想を得ている。昼間の本業を「晴耕」に見立て、それに対する仕事後の遊び、あるいは副業の場所としての「雨読」というコンセプトである。地方の企業ではなかなか発揮しづらいクリエイティブな感性をこの場で磨くとともに、その表現の場にもしようというものだ。
これまで、こうしたスペースはいわき市の中心部である平地区に集中し、小名浜地区には存在しえなかったが、小名浜出身の2人の強い意向で、小名浜でのオープンとなった。スペースはまだまだ何の内装も施されていないが、内装工事自体をイベント化して、広く市民の参加を呼びかけることとなっている。
5月4日には、オープンを記念したパーティが行われ、東京で活躍するライプペインターのナカジマシゲタカや、福島市で『コドモノエガクマチ』など社会的な活動を展開するデザイナーのアサノコウタなどが参加。乾杯でオープンを祝ったほか、ライブパフォーマンスなども行われ、賑やかなオープンとなった。
今後は、内部の壁そのものをキャンパスとする『弔いの壁』といった作品の制作・展示が進められるとともに、「海辺の畑」をイメージした内装工事も行われることになっている。UDOKは、そのすべてを可視化し、参加型のイベントとすることで、小名浜に新たなクリエイティブシーンを作ろうとしている。
震災の復興が徐々に進みつつある中、まったく新しいアプローチで小名浜に活力を与えようというUDOK。ここにどんな人が集まり、何が起きるのか。tetoteでは随時、その情報をアップしていく予定だ。